
信号待ちの車の中。
後ろの席から、小さな歌が聞こえた。
——エイ、ビー、シー、ディー…
いつもの「パプリカ」じゃない。
教えた覚えもない。
ミラー越しの息子は、夕焼けを見ながら、
機嫌よく歌っている。
発音なんてめちゃくちゃだ。
でも、誰に言われたわけでもなく、自分から歌っている。
「それ、どこで覚えたの?」と聞くと、
息子は言った。
「フレックルズ!きょうね、ロボットつくった。せんせいが Good job! って!」
——正直、英語を習わせることには迷いがあった。まだ早いんじゃないか。
嫌いになったらどうしよう。
でも今、後ろから聞こえているのは「やらされている英語」じゃない。
「好きになった英語」だ。
何事も好きじゃないと長続きしない。
好きなものは、自分からやりたくなる。
夏の太陽の下で遊びすぎて、鼻の頭にそばかす(freckles)ができるくらい夢中で遊んで、、、
そばかすの模様が一人ひとり違うように、
英語が好きになるきっかけも、
一人ひとり違っていい。
鼻歌が、英語に変わる場所。














